2016年は6月に続き、10月に2件の融資を決定しました。
本年はこの2回をあわせて、4名の難民起業家に融資をすることとなりました。

10月の融資においては、5件の融資依頼に対して同時に審査を行い、2件承認、2件却下、1件保留、という判断を行いました。
ESPREでは融資にあたって、経営者の能力、事業性、ESPREによる支援の効果の大きさなどを評価していますが、なにより融資申請をくださった難民起業家の方とESPREとの間に信頼関係が構築できているか、といった要素を重視しています。
本年に融資をした4名の方々とは、融資にあたっていずれの要素も満たしていると判断しました。現時点では、事業面での苦労はいずれも多かれ少なかれありますが、信頼関係は維持できていると考えています。

そこで、あらためて本年の融資先の内容を、以下にご報告させていただきます。

2016年の融資先のご報告

※ 記載は、融資決定日に基づく

6月:Aさん(60万円融資)

修理工場などから中古車を仕入れ、オークションに販売して利ざやを得るというビジネスです。工場勤務で家族を支えてきましたが蓄えはできていません。そのため、手持ち資金がほとんどない中で可能なビジネスは何か?という議論をした結果、今回の事業を選択しました。

規模を拡大するにはまだ時間がかかり、現在は月数台という取引量ですが、将来は輸出などにも参画したいと考えていらっしゃいます。

6月:Bさん(20万円融資)

スマートフォンのアプリビジネスです。App Store / Google Playで販売しています。
融資金は、アプリデザインに必要なソフト購入や、開発者登録などの費用に用いられました。

現在すでに10のアプリを掲載して、販売しています。ただし、売れ行きはまだ非常に小さく、トップラインの拡大のための施策を議論しています。

10月:南さん(100万円融資)

第3号の融資先であるベトナム料理店イエロー・バンブー経営のアジア・サービス株式会社(南さんが代表取締役)に対して、店舗の運転資金として融資しました。

近隣ビルの工事の関連で客足が減り、2014年に運転資金を融資しました。
次第に集客は改善しています。ただ、工事は来春まで続くためまだ厳しく、今般2回目の融資を行いました。過去の実績から見ても、工事終了後は大きく状況が改善すると見込んでいます。

11月:Cさん(100万円融資)

中東〜インドの料理を出すレストランの開業費用を融資しました。
これまで働いて貯めた資金を元手に準備してきましたが、どうしても資金が不足し、支援を求めてこられました。
保健所の許可や看板の発注など、ほぼ全てご自身で進めて来られました。
準備中の店舗にも訪問し、何度もインタビューを実施した結果、融資を判断しました。

12月にオープンしており、今後は事業面での支援をしていきたいと考えています。

今後、またそれぞれの事業の進捗について、ご報告をさせて頂きたいと考えております。

なお、この融資原資には、主に2015年9月から11月にかけて実施したクラウドファンディング「マイクロファイナンスで難民起業家を生み出し自立につなげたい!」の資金を活用しております。
このクラウドファンディングは、池末匠さま、加藤毅さま、小関隆志さま、サリちゃんさま、谷口智史さま、戸田佑也さま、中熊千香さま、藤原淳様、レオン昌子さま、Trans-it Capital LLCさまを含む、65名の方々によるご支援で成立しました。
ここに、改めて御礼を申し上げます。

公益社団法人難民起業サポートファンド
代表理事 吉山 昌

今後も、難民起業家への融資及び経営支援を拡大し、難民の生活の改善、及び日本社会での難民の活躍、イメージの変革につなげてまいります。
最近は相談が次第に増えており、さらなる資金とお手伝いいただける方を募集しております。

合計200万円の資金があれば、運営費と融資原資として、
4〜5件の経営支援と、年間の融資件数1件の追加が可能となります。

より多くの難民が起業という挑戦をして、変化を生み出せるよう、ESPREの活動にご参加、ご協力ください!

こちらのページに、ご寄付やプロボノ・ボランティアについての情報を掲載しております。
ぜひご覧ください。
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