2013年4月27日(土)・28日(日)に、「難民起業家に会いに行く! ―挑戦への一歩を踏み出すキャンプ―」を開催しました。2日間合わせて学生から社会人までを含む7名の方にご参加頂き、小さなグループならではのアットホームな雰囲気でキャンプを開催することができました。
「ずっと夢を追い続けることが大事。」
1日目は、難民起業家・アセフさんとの対談から始まりました。難民として来日し、様々な困難に遭いながらもそれを乗り越えてこられました。来日後は、外国人として、すぐにはそれまでの教育を活かせません。一時は、生活費を得るために毎日夫婦で15〜16時間働くという日々を過ごしていたといいます。
その後、インド料理店を持つという夢を実現させた後、現在は中古車輸出業でアフリカに進出するまでに至っています。
「最初から、家族や国から離れた不安な中で生活をしていたので、起業するときには不安ということは考えていなかった」
難民として本国でも、来日後も多くの苦労をされたアセフさんです。それでも何事も前向きに捉え、チャレンジする精神を持ち続けるアセフさんのお話から、参加された方々は、今までとは違う難民のイメージを感じ取っているようでした。
それぞれの難民が持つ「起業する理由」
昼食の後は、「日本にいる難民の話」と「難民が日本で起業すること」に関するレクチャー。難民が来日して直面する厳しい生活。そこから生まれる”起業”という選択肢。スタッフの話やビデオを通して、難民が起業にたどり着くまでのプロセスを学びました。参加者は、難民にとっての”起業”の意味、そしてなぜ起業支援が必要なのかということに真剣に耳を傾けていました。
「支援」をどう考えるか。そして、どのように支援するか?
キャンプのメインとなったのが、2つのワークショップ。1日目から2日目にかけてのテーマは「難民起業家支援に挑戦!」 つけ麺屋を営む難民起業家を事例として、支援先としての選定をどのように行うのか、そしてどのような経営支援をするのかについて議論をしました。参加者の皆さんは、普段真剣に考えることが少ない「支援」の奥の深さになかなか苦戦。しかし、具体的なイメージをできる経営支援については、「日本の感覚を知りたい」という起業家の要望を踏まえて、さまざまな提案を熱心に考えていました。「ヘルシーなメニューを開発して女性客を呼び込む」「手作り感をアピールする」など、具体的な提案が多く出されました。
「人の持つポテンシャルを活かす事業を考える」ことに挑戦
2日目は、「難民のもつポテンシャルを活かす」ことに取り組むESPREの事業のように、「人の持つポテンシャルを活かすこ」とで社会を変えるための事業を考えることに挑戦しました。ワークショップの最後には、プレゼンテーション。夜の自由時間も使って熱心に議論した参加者の皆さんの姿や、スライドと模造紙を組み合わせて作成された発表資料がとても印象的でした。
挑戦する難民起業家の姿を伝えるとともに、参加者の皆さんが新たなことに挑戦するきっかけとなった素晴らしい2日間となりました。これからも、難民起業サポートファンド(ESPRE)では、このようなイベントを通じて、難民起業家への支援の輪を広げていきたいと思います。
今回のイベントでの参加費の一部は、難民起業家に対する融資の資金として、大切に使わせて頂きます。